麻痺手に対する脳梗塞リハビリに必要な手の機能の再考

リハビリ

横浜市港北区新横浜地区にあります、脳梗塞リハビリ専門 保険外サービス「Discovery style」施設長の阿部です。

当施設では、ご利用いただいているお客様に目標を設定していただき、その目標に沿った脳梗塞リハビリを行っていきます。
目標となる多くは、麻痺手に対する目標が多い傾向にあると私は感じています。
歩行場面でも、歩き始めはまだ落ち着いているんだけど、歩く距離が長くなると手が曲がってきてしまうから、曲がらないように歩きたいという目標を設定するお客様もいらっしゃれば、一度手すりや物を握ってしまったら、離せなくなってしまうから、力が入ってしまった時に、手の力を抜く方法を覚えたいなど、生活場面では本当に手の役割は多岐に渡っており、手の作業に限らず、移動場面でも手の問題は出てきています。
生活場面において手というのは、本当に大きな役割を担っていることが、私が脳梗塞リハビリ専門の保険外サービスを始めてみて再度認識したことでした。

そこで今回は麻痺手に対する脳梗塞リハビリに必要な手の機能について私なりにまとめてみたいと思いました。

1.道具としての手の誕生

ヒトは、二足歩行を獲得し、前肢が自由になった時、道具としての手で「思い・願い」を自由に表現することができるようになり、その思い・願いは無限の広がりを持つ可能性を得たと言われています。
また、その最も大きな可能性(機能)は、食物を得るための道具としての「手の誕生」と考えられています。
同時にその手は食物となる動物の狩猟道具を作る道具にもなり、そして狩りに行き、作った狩猟道具を使って(操作して)食料を獲得することができました。
しかし、その獲得した食料を横取りする者も出てきたので、獲得した食料を外敵から守るために簡易的な武器も作る必要がありました。
このようにして、手は道具として新たな道具を生み出み、その作られた道具を操作し、生活レベルを安定・向上させていったと言われています。
このような手の機能は、原始的なものではありますが、同時に現在の人間社会にも生きている手の重要な機能(役割)と言われています。

私たちの普段の生活場面を思い出してみて下さい。
私たちが日常生活を行う上で、必ずと言っていいほど作業に手を使っていませんか?

ということは、麻痺手を日常生活の中に参加させることの意味はとても重要であり、身体の状態に合わせた手の役割をどのように設定していくのかは、手の脳梗塞リハビリを進めていく上で必要な要素であると私は思っています。

2.手の機能とは?

私が考えている上肢機能を含めた手の機能は、
①細かい作業をするための手
②物品を操作する手
③物を認識するための手
④パワーを生み出す手
⑤体重を支える手
⑥身体のバランスを取るための手
⑦ジェスチャーなどでコミュニケーションを取るための手
このような手の役割を考えています。

脳梗塞の発症により、運動麻痺が生じてしまうため、手の機能には個人差が必ずあります。
なので、私が脳梗塞リハビリ場面で重要視しているのは現状の手の機能に合わせた手の役割を一緒に作っていくことだと思っています。

脳科学的に、手を使用しない期間が長ければ長いほど、感覚器官が豊富な手は感覚を取り込むことができないので、脳のマッピングから手の領域が狭小化してしまうという研究報告があります。
このような学習性不使用は無意識に手を使わない生活を作り出してしまい、結果として身体の使い方にも支障をきたしてしまいます。

これは私の経験ですが、脳梗塞を発症してからの経過が長い脳梗塞を経験された方のリハビリを行っていた際のことです。
その方は、今まで麻痺側上下肢を触ってもらった経験が少ないとおっしゃってくれました。
車いすからベッドへの移乗動作を見てみると、身体の使い方は非対称で、非麻痺側上肢で支持物を引っ張り、麻痺側の肩甲骨は後方に後退し、立つことは出来ていましたが、恐さがあるとのことでした。
リハビリでは今まで触る経験が少ない麻痺側上下肢を中心に不快な感覚にならないように筋肉を通して感覚刺激をしていくと、心地よい感覚が得られたようで、「気持ちがよい」とおっしゃっていただきました。
その結果、座位や立位を取った際に、非対称性が少なくなり、しっかり立てている感じがするという感想をいただいきました。

このことから、手は感覚を受け取る受容器であり、また身体のバランスに影響するという役割を作り出すことができた結果となったと思いました。

3.手の機能のための脳梗塞リハビリへの応用

私の経験では、脳梗塞を発症した当日から手の脳梗塞リハビリは開始する必要があると考えています。
動かない手、感覚が乏しい手でも手の管理をしっかり行うことで、手の筋肉の短縮や拘縮の予防や手の浮腫による循環障害の予防、また片手症候群のような手の疼痛の予防まで、幅広い手の問題に対する対処が行えると考えています。
また、少しでも動く手であれば、生活場面を通して、手にたくさんの感覚刺激を入れることが重要であると思います。
もちろん手に正しい感覚が入ってくるような条件(姿勢を安定させること)は必要ですが、学習性不使用を少しでも予防し、脳のマッピングに手の領域を再構築するための刺激を脳へ送り続けなければならないと思っています。

このように手は日常生活に欠かせないものであり、麻痺手への配慮はリハビリの中でも必要不可欠と私は考えています。
これからも手の役割について、日々のリハビリで何ができるのかを探求していきたいと思っています。

4.まとめ

最後まで、ブログ記事をお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、麻痺手に対する脳梗塞リハビリに必要な手の役割について考えてみました。

今後も麻痺手に対するアプローチについて、少しでも生活のサポートできるように、考えていきたいと思っています。

この記事をお読みいただき、当施設、新横浜地区脳梗塞リハビリ専門「Discovery style」にご興味・ご関心がありましたら、下記のURLからホームページをご覧いただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

https://discoverystyle.jp/

 

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