当施設の脳梗塞リハビリと運動学習について

リハビリ

横浜市港北区新横浜地区にあります脳梗塞リハビリ専門「Discovery style」施設長の阿部です。

当施設にお越しいただくお客様のほとんどは週1回から2回の頻度で通われてきています。

脳梗塞を発症された方の多くは、リハビリ病院で毎日最大3時間のリハビリを受けてきました。
しかし、退院後はそのリハビリ時間がなくなってしまい、自主的にリハビリを進めていかなければなりません。

その中で運動学習はとても重要となると私は考えています。

当施設でも「気づき」というキーワードで、1回の脳梗塞リハビリの中で得られたことを大切にしています。

「気づき」というのは、同じ運動の要素でも1人1人の感じ方も表現の仕方が異なります。

「気づき」の瞬間、どのようなことを得られたか?を当施設では重要視し、毎日リハビリできない環境でもその「気づき」を基に自主的なリハビリを行っていただくポイントにしていただいています。

そんな中、運動学習について理解を深めように思い、理学療法士ジャーナルVol.46 No.1 January 2012の特集に「運動学習と理学療法」というテーマがありました。

そこで紹介されていた内容を踏まえて、私なりに当施設で行っている脳梗塞リハビリの内容を考えてみました。

1.学習能力とは?

脳梗塞リハビリをしていく中で、学習がなかなか進まない、または学習すること自体が難しい場面にを経験することがあります。

そういった「学習されない」状況というのは、「なかなか憶えられないこと、一旦憶えたことが翌日まで残らないこと、また覚えたことが他に汎化していかない」などを示していると考えられています。

ジャーナルの中では、「これらは対象者側の問題として捉えられてしまう場合が多い」としています。

もちろん対象者の疾病として記憶や注意の障害が伴っている可能性が高いですが、本当にそれだけでしょうか?

また補足運動野や小脳、大脳基底核といった学習に関与していると考えられている脳の領域に障害がある場合には学習されにくい状況に陥りやすいと言われています。

しかし、「一方では対象者側ではなく、課題を設定しているセラピスト側の問題も考えられる」そうです。

それは、「対象者の病態に適した課題の設定が行えていない場合(課題の選択の問題)、課題が難しすぎるもしくは易しすぎる場合(課題の難易度の問題)、教示方法やフィードバック方法が適切ではない場合(課題の実施方法の問題)などである」

どちらの場合にしても、しっかりとした評価が重要であり、個別性に合わせ、学ぶべきことは何なのか?どんな方法であれば学習できるのか?について検討することが重要です。

またジャーナルでは、「リハビリにおける「学習」は、言語の学習や学校教育で繰り広げられているような知識の習得や技術を獲得することではない。
特に中枢神経疾患においては運動麻痺により単純な関節運動さえも意図したように行うことができないため、能力を形成するところから始める必要性がある。」と言われており、学習について再度考えさせられた内容でした。

2.当施設で行っている運動学習のための脳梗塞リハビリ

当施設で行っている脳梗塞リハビリとして、立位バランスの練習場面を例にすると、立位姿勢は足底を支持面として姿勢バランスを取っています。

そこでお客様に、現在どのように足の裏でバランスを取っているのか?を聴取します。

聴取する方法は足の裏のどこでバランスを取っているのか?右足と左足との体重がかかっている割合はどうですか?など、お客様が実感しやすく、表現しやすい質問をして、現在バランスをどのように取っているのかについて内観していただいています。

そうすることでセラピストの評価とお客様が体験している身体の感覚の誤差を知ることが出来ます。

その後、お客様が体験している身体の感覚を手がかりに反応を見ながら、セラピストが評価した現象とお客様の身体感覚の誤差を埋めていくための脳梗塞リハビリを実践しています。

このようなお客様とのやり取りが当施設でのリハビリ時間だけではなく、学習として生活動作に汎化している経験をさせていただいています。

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