脳梗塞リハビリと運動学習について

リハビリ

横浜市港北区新横浜地区にあります、脳梗塞リハビリ専門保険外サービス「Discovery style」施設長の阿部です。

私たちが、この脳梗塞リハビリ専門施設「Discovery style」をスタートさせて約1年半が経過しようとしていますが、お客様との脳梗塞リハビリを行う中で感じることは、今まで入院中受けてきた毎日のリハビリ時間が極端に減り、リハビリの専門家であるセラピストがいない中で、自主的にセルフマネジメントをどのように計画し、実施していけばよいか?ということをどのように支援していけばよいかということです。

なぜなら退院後、リハビリが行える施設に通うことができても、利用できる回数や時間などは限られてしまう現状にあるからです。

先日、脳梗塞リハビリにおける運動学習について、理学療法士ジャーナルの特集で気になる内容を見つけましたので、ご紹介させていただきます。

1.運動学習を基盤にしたリハビリ方法

脳梗塞などの中枢神経疾患に対する運動療法(リハビリ)の目的は、感覚-運動統合を促して運動コントロールを高め、対象者のパフォーマンスを最適化することと言われています。

その成果は、課題の難易度を調整し、対象者が利用できるフィードバックを駆使して、運動スキルを再構築する過程を推し進める運動学習によってもたらされるとされています。

その中で「顕在記憶と手続き記憶をいかに操作するか」がニューロリハビリテーションにおいて重要な要素の一つと位置づけられています。

顕在記憶とは、自分で思い出そうとする意思を持って、思い出す記憶のことです。

例えば「テストの時に勉強内容を思い出す」「旅行の思い出を振り返る」といった、本人の意思によって思い出され、言葉やイメージで他者に伝えることができる記憶は顕在記憶だと言われています。

この記憶を学習過程の中で高める顕在学習とは、運動手順などの外在的フィードバックに基づき、学習者が意識的に課題を反復する学習方法とされています。

要するに着替えをする場面をイメージしていただくと、右袖を通して→左袖を通して→頭を通して→衣服の乱れを直してと運動の手順を意識しながら行うということです。

一方、手続き記憶とは、簡単には言葉で説明できないことが多く、意識しなくとも使うことができる。いわゆる「体が覚えている」状態であるとされています。

この2つの記憶の特徴を理解し、段階づけを行い、自己のセルフトレーニングとして活かしていけるかがポイントになると私は考えています。

2.当施設で取り組んでいる内容

当施設では、脳血管アプローチの複数回コースを選択されたお客様に目標設定をしていただいています。
そして、目標となる課題に対して必要な運動要素(課題を構成している運動要素)を一緒に考え、4~5項目抽出します。

その後、リハビリの中でその課題を構成している要素を練習し、リハビリの中で得られた良い経験を自主トレメニューとして持ち帰っていただいています。

持ち帰っていただく際に、写真や動画、文面にまとめてお客様にフィードバックをしています。

このように最初は意識下で行える学習できるツールを身体の状態に合わせて提案し、それをご自宅で実践いただき、次回にその内容を確認することでより運動学習効果を高めるような取り組みをしています。

3.まとめ

感覚-運動統合に問題を抱える対象者への運動学習は、目標とする運動スキルの設定、対象者が利用できるフィードバックの選定、そして運動記憶への固定を促す手続き記憶の展開によって完結されるとされています。

私たちセラピストは、対象者の学習能力を適正に評価し、対象者に見合った効果的な運動課題を設定することが重要だと、今回考えさせられました。

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