手に特化した脳梗塞リハビリの研修会を開催しました。

報告

横浜市港北区新横浜地区にあります、脳梗塞リハビリ専門保険外サービス「Discovery style」施設長の阿部です。

2019年2月9日(土)~10日(日)の2日間の日程で、ここ、新横浜脳梗塞リハビリ専門「Discovery style」を会場とさせていただき、外部講師の先生をお呼びして、セラピストの皆さん向けの研修会を企画し、実施させていただきました。
今回のテーマは、「脳梗塞後遺症者の生活期における上肢機能アプローチの再考ーの機能に着目してー」とさせていただきました。
上記のテーマのように、脳梗塞を経験された方々の上肢機能についての研修会・講習会は多々ありますが、の機能に特化した研修会は少ないと私自身、他の研修会を受講してきた中で実感してきました。
そこで今回、当施設で外部講師の先生のご協力の下、の機能に特化した研修会を開催することができましたので、報告させていただきます。

1.手に対する問題について

私がここ新横浜脳梗塞リハビリにおける保険外サービスを開始して、実際に脳梗塞を経験されたお客様と脳梗塞リハビリを行う際に、上肢手を目標にされるお客様はとても多いと私は臨床を通して感じています。
しかし、実際の脳梗塞リハビリでは、歩行の自立(移動の自立)や身辺動作の自立にリハビリの量をかけるため、上肢の問題について細かく取り組むことができる方々は少ないという報告があります。
ですが、近年では慢性期以降のの回復の可能性を示唆される研究も出てきており、実際の臨床場面では電気治療やロボットなどを用いた最先端の脳梗塞リハビリが展開されている施設もあります。

また、その中で問題となってくる上肢の問題となる症状が連合反応と浮腫です。
連合反応は個人の抑制コントロール(下行性コントロール)を超えた刺激に対して緊張が変化する非随意反応であると定義されています。
要するに、私たちが姿勢を安定させるために必要な体幹の制御を行っている網様体系の制御能力以上の刺激が入った場合に、連合反応が起こるということです。
連合反応が上肢に出現すると、上肢は屈曲方向に引き込まれてしまい、繊細な感覚情報を受け取ることが困難となってしまいます。また、このような状況が続くことで、感覚情報を受け取ることが困難となり、脳の中に存在する手の領域の狭小化につながってしまいます。

また、浮腫についても同じようなことが言えます。
脳梗塞リハビリを行う上でリハビリの障害になるのは、肩手症候群です。
肩手症候群は、脳梗塞を経験された方の二次的合併症として起こり、その中の12.5%が発症し、一般的には脳梗塞を発症後1-3カ月の間に起こるとされています。
肩手症候群は手に突然浮腫と痛みが出現する症状です。
このような状態が起こることで、上記にも記載させていただいた手の感覚入力が乏しくなり、手が不使用状態となり、脳の中に存在する手の領域の狭小化につながってしまうとされています。

2.今回、手に特化した研修会を通して得られたこと

今回のに特化した脳梗塞リハビリの研修会で得られたことは、は運動器官であると同時に繊細な感覚器官であるときうことです。
手掌面にはたくさんの感覚受容器が存在しており、二点識別検査では口唇の次に感覚の識別が詳細にでき、またペンフィールドのホムンクルスの体性感覚が投射される各身体部位の面積では、は大きく表現されています。
よっての機能回復を考えた際に、いかに感覚入力を繊細に行えるの状態を作ることが出来るかが脳梗塞リハビリのポイントになると感じました。

今回は当社のデイサービスに通われている利用者様にご協力いただき、上肢の問題について考える貴重な機会をいただきました。
そこで得られたことは、連合反応を除去し、伸展した上肢の状態を作り、の短縮している筋肉を調整し、前腕を回内位、手関節を背屈位、手指が伸展した状態で、手掌面をベッドに付くことができるようにすると、麻痺側下肢の内側広筋と呼ばれる太ももの内側の筋活動が得られ、いつもは支持物を利用してが立つことが必要であった方が、十分なの機能を作り、適した感覚情報がから受け取れると、重心の移動が変化し、また得られる床反力情報にも変化が起こり、立ち上がりがフリーハンドで行うことができました。
感覚器官としてのの機能を使用した運動の効率性が変化した瞬間を確認できた経験させていただきました。

また運動器官としては、外在筋と内在筋制御をいかにうまく組み合わせながら、随意運動を経験していただけるかということです。
を使用する際には、必ず安定が必要となります。安定がないと正確な運動ができないからです。の巧緻動作は安定したの機能があるからこそ達成できるといっても過言ではないと感じました。
どのように内在筋を安定させて外在筋を活動させるのか?内在筋を活性化させるためにはどのような関わりが必要なのか?などデモンストレーションを通して、の機能の奥深さを再度認識させていただきました。

3.まとめ

今回、新横浜にあります当施設でに特化した脳梗塞リハビリの研修会の報告をさせていただきました。

の機能は運動器官として着目されやすいですが、感覚器官としての側面もとても重要であると再確認できた時間でした。
今後もの機能についてこの時間で得た経験や今後臨床で得られた経験を通して、少しでも手の問題を抱えている脳梗塞を経験された方々により良い方法を提案できるように、脳梗塞リハビリを発展させられるように、日々工夫していこうと思っています。

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